法務省刑事局
刑事法制監理官室 御中
平成22年1月10日
北海道空知郡南幌町南
℡/Fax
白倉 裕美子
案件番号 300090014
凶悪事件・重大事件の公訴時効の在り方等について
【公訴時効は完全撤廃すべき】
意見
1、 公訴時効の見直しの必要性、妥当性について
時効制度自体の根本に関して考えれば、国の負担軽減のための政策的に定められたものと思われます。
① 時の経過と共に証拠の散逸、正しい裁判が行われない
捜査機関の問題であり、散逸という言葉を用いること、そ
れを理由に正当な裁判が行われないという理由は、現在の技術等を考慮すれば当てはまらない。
② 時間の経過とともに被害者を含め、社会一般の処罰感情が希薄になる
社会の処罰感情の維持と、被害者を一緒にするべきではない。
実際の被害を被ったものと、マスコミ等を通じ事件を客観的に見ている人間と、同じ感情なはずもなく、
また社会の処罰感情を維持しなければならない理由が理解できない。
【被害者が事件の経過と共に処罰感情が希薄化する】という意見収集などを、実際の被害者等に行い導き出したものなのか。
識者等が述べているだけの机上の考えではないのか。
被害者にとって、公訴時効こそ二次被害となっている現実が多い。
時間が経過するほど、事件が深く刻まれ公訴時効という制度が、被害者にさらなる精神的不安を与えている。
また、逃げきれば罪に問われないという現行制度が、犯罪者の逃亡意欲を増幅させているのではないか。
③ 犯罪後、犯人が処罰されることなく日時が経過した場合には、そのような事実の状態が継続している事を尊重すべき
全くもって、意見する気にならない論点である。
2、凶悪・重大事件の公訴時効見直しの具体的あり方について
全ての凶悪・重大事件、当然交通事犯を含む犯罪、つまり人命を奪う、
傷つけ後遺障害を負わせたような事件すべてにおいて、一律公訴時効を撤廃するべきと考える。
3、 現に時効が進行中の取り扱いについて
公訴時効撤廃となった場合を仮定して、施行日1日違いで時効の有無が出る事は、被害者も納得できないであろう。
このような案件においては、犯人特定がなされている(DNA捜査などで確たる証拠がある場合など)については、
上記同様の扱いによる公訴時効撤廃を用いるべきではないか。特定されていながら逃亡を図り、
ある日を境に匿名扱いの一般人になるという実態を認めるべきではない。
しかし、犯人特定に至っていない進行中事件に関しては、
【検察官の請求と裁判官の決定により時効中断】の手段を用い、
基本的な考えとしては公訴時効を積極的排除していく姿勢を取っていくべきではないか。
4、 刑の時効見直しの必要性・具体的あり方について(趣旨がわかりずらい)
刑の執行免除とは、死刑施行の言渡しされた者に対しての事を指すのであれば、
刑の執行免除は必要ない。
公訴時効と刑執行免除のバランスというが、これにおいては別問題ではないのか。
罪を犯しながらも公訴時効という制度下のもと、逃げ切る人間がいる事を許すべきではないという公訴時効問題と、
刑確定者の刑の免除を同一議論の場に出すことは正しい事か。
この問題は、公訴時効ではなく、死刑制度や終身刑制定等の意見で議論すべきではないのか。
被告の防御についての問題は、憲法、刑事訴訟法などで十分すぎるほど
被告のプライバシーを含めた保護が行なわれている。どこまで保護が必要なのか。
また、現在、公判までの手続きにも変化があり、公判前整理手続きの適用などで検察側も証拠を開示しなければならなくなっている。
つまり、後出しや隠す事が出来ない状況になっているものと思われえる事から、
被告側にも十分な情報が与えられる環境下へと変化があることも考慮すべきではないか。
つまり、被告が裁判において不利・防御が出来ないという事は、この科学捜査の充実や情報管理の進歩をみても、
制度変化を考えても十分被告に防御もでき、また十分な法律保護が与えられているものと考えるので、
被告の防御についての配慮まで、考慮する理由に明確さがない。
交通事犯においても、逃げ得の問題等やひき逃げ事案等悪質な事案も多い事、また、一方の意見で事件構成される
「死人に口なし捜査」との批判が強く、またその声は大きい。交通事犯も悪質な事件である。
「交通事故は過失」との思い込みの排除、そして科学捜査の導入などを行っているのであれば、
交通事犯においても、十分な証拠確保も可能。散逸などという事態は言語道断であるのは言うまでもない。
交通事犯を公訴時効撤廃の事案から排除するという事は、正当な捜査、情報収集、科学的捜査が行われていないから
、証拠能力に不安と考えられ、非難の的になるものと考える。
交通事犯軽視の社会を変えるためにも、また、生きる権利を奪われているという現実から鑑みても、殺人事件同様公訴時効撤廃すべき。
また、犯罪被害者等基本法第3条で「すべて犯罪被害者等は個人の尊厳が重んじられ、
その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する」と明確記されているが、被害者の「尊厳」を考えていただきたい。
もっとも重要な「生きる権利」そのものを他者によって一方的に奪われた被害者・遺族は、被害に遭った理由、
誰によってどのような犯罪であったのか知る権利を持っている。
事件の真相を知ること、そして加害者への公正な処罰を求める事が被害者や遺族の唯一の拠り所であり、
想像を絶する言葉にできない絶望感の中、唯一の光が、「司法が裁いてくれる事、犯人を検挙してくれる事」であり、
そこに希望を持ち生きています。
その小さな望みさえも奪う、公訴時効制度は即刻廃止すべきだと、強く訴えるとともに、心から公訴時効制度の廃止を願います。